『食べて、祈って、恋をして』
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ニューヨーク、イタリア、インド、バリ島が好きな人はチェックしているのではないかと思う、この映画。私も映像観たさに、公開を楽しみにしていた。
壮大なロケによる映像はすっごくキレイだったし、笑って、泣いて、ボロボロになっても、ジュリア・ロバーツの表情が魅力的でした。
ただし、ストーリーが、なんとも、、、。
離婚して自分探しの旅に出た女性が、1年かけて、3カ国を旅して、最後に辿り着いた「自分を表現する言葉」がアレとは、アメリカンジョークか? そのキーワードは、旅の途中の友人が教えてくれたイタリア語なのだけど、それをキーワードにするならば、タネ蒔きが甘すぎる。あとから蒔いたような、杜撰な組み立て。
そして、自分探しといいつつ、最後はやっぱり男・・・。
それなら夫と離婚した経緯をもっとキッチリ描いてくれないと、ただの勝手な女にしか。。。
こうゆう独りよがりで経済力がある女性は、気が済むまで何かを探し求める旅に出て、その時々で、軟骨を潤してくれるパートナーがいれば、いいんじゃないでしょうか。
3カ国で出会う人々が、人生のヒントになるようなことをたくさん言ってくれて、その1つ1つはいい言葉なのだけど。たくさんあり過ぎて、どれも印象が薄い。1つの映画で、印象的な台詞は、そう多くなくていい。一番リアルなのは、インドで4週間言葉を発しない修行をしていた女性が、修行を終えたときに教えてくれた、「(喋らなかったことで)喉の線が消えた!」だった。
自分探しは、生きるうえで終わりのないテーマであるとは思う。
旅先で出会う人から聞く言葉は、新鮮に聞こえたりもする。
でも、旅は、旅だ。
近くで自分をよく見てくれている親友のアドバイスよりも、旅先で出会ったばかりの人のアドバイスを選択しているようでは、せっかく得たものも、また失う。
私も以前は、いつも「まだ他の何か」を探してばかりいた頃があったけれど。ある人に、「あなたは現状に満足しないことを”向上心”だと思っているかもしれないけれど、満足することを覚えて、落ち着いて周りを良く見てみれば、とても幸せだ」と言われたのを思い出した。満足と感謝を覚えた今は、平凡な毎日も、幸せ。